法律事務所に裁判を請け負う場合には、依頼者より訴訟委任状を取り付け、裁判所に提出します。
今回は訴訟委任状の取り付け方についてです。
訴訟委任状の書式見本
まず訴訟.委任状には一般的に使用する定型の文言があり、日弁連のHPでも公開されていますので、参考にしてください。参考>>日本弁護士連合会・役立つ書式など
訴訟委任状の取り付け方
訴訟委任状に依頼者に書いていただく部分は、基本的には依頼者の住所と名前、捺印のみです。
それ以外の部分は法律事務所のほうであらかじめ記入、または後ほど追記します。
郵送で取り付ける場合
訴訟委任状を郵送で取り付ける場合、できるだけわかりやすく指示書きをして依頼者に送付します。
ここまで書かなくてもわかるだろう、という過信は禁物です。できるだけ細かく指示書きしてもその通りにならないこともあります。できるだけ細かく細かく、書いてほしいこと、捺印してほしい場所について指示書きします。
依頼者情報の記入指示
右上の「委任者」欄(実際には空欄です)に鉛筆などで記載してほしい内容についてメモします。
個人の場合:個人の住所、個人の名前
法人の場合:法人の住所、法人名、代表者名
捺印の指示
依頼者欄の名前の横に、捺印を促す指示をメモします。
個人の場合は実印である必要はありませんが、法人の場合には法人の登録印(実印)での押印をお願いします。
個人の場合:認印で可
法人の場合:法人の登録印(実印)
捨印の指示
依頼者が個人にしろ法人にしろ、なるべく「捨印」を押してもらうよう依頼者にお願いします。
これは、あらかじめ書き込んだ裁判の内容、もしくは提出前に書き込む際に、記載内容にずれ屋敷誤りがあった場合に訂正できるようにです。
返信用封筒を同封
担当弁護士又は担当事務宛ての返信用封筒を同封して送付します。
面談時などに対面で作成してもらう場合
依頼者と弁護士の面談時などに認印をお持ちいただき、その場で作成する場合もあります。
その際は、その場で記載内容を指示できるため細かいメモ書きなどは不要ですが、捨印は忘れがちなので、注意してできるだけもらっておく方がよいです。
訴訟委任状には事件内容をあらかじめ記載するか、白紙で取り付けるか
訴訟委任状の下半分には、事件の情報を書きます。
訴訟委任状は委任状のため、当然ながら、全部の情報が書き込まれたものを依頼者に確認していただき、署名捺印をもらうのが一番ふさわしいやり方です。
しかし実際の運用として、訴訟委任状の事件の情報部分は白紙のまま委任状を取り付けることは多いです。
訴訟委任状がなければ訴訟の提起はできないため、法律事務所で訴訟を受任するとなったら必ず訴訟委任状が必要ですから、まずは依頼者に訴訟委任状の作成をお願いしたいところです。
訴訟提起には事案によってはその他にも様々な書類を準備せねばなりませんが、その過程において、例えば相手方の漢字が実は違ったとか、相手方が増えたとか、事件名が変わるといったことは度々起こります。
その際、訴訟委任状にすでに事件の内容が書かれていると、訂正せねばならなくなるため、訴訟提起の際の訴訟委任状の事件の内容は、提出直前に埋めることが多いのです(最終確認として、FAXやメールなどで記入内容の確認をしていただくこともあります)
当方が被告(訴えられた側)の場合には、訴訟はすでに起きており、事件の情報は明白なため、すべての情報が入った委任状に署名捺印していただくパターンが多いです。
訴訟委任状の書式見本(書き方)と取り付け方 まとめ
今回は、法律事務所にて訴訟委任状を取り付ける際の手順をまとめました。
注意すべき点は、
- 郵送の場合、指示書きはできるだけ丁寧にすること
- 捨印はできるだけもらうこと
- 事件内容について、あらかじめ書き込むか、空欄で取り付けるか考えること
訴訟提出間際になって「あれ?訴訟委任状取ってない??」となると非常に焦ります。訴訟事件の受任が決まったら、訴訟委任状については気にかけて置き、指示がないようであれば弁護士にも確認して、提出間際に慌てることのないように進めましょう。
それでは。