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兄弟姉妹相続の場合、金融機関(銀行)の相続手続きに直系尊属の戸籍はどこまで必要か

法律事務所にて、法律事務職員がその事務作業の多くを担うことが多い業務の1つ金融機関の遺産相続手続きがあります。

今回、被相続人に子がいなかった場合の相続手続きについて、第2相続順位である直系尊属の戸籍はどこまでさかのぼるべきなのか、気になったので調べてみました。

目次

理論上は、直系尊属の戸籍はどこまでもさかのぼれる

被相続人に子供がいない場合、第2順位の法定相続人は直系尊属です。

被相続人の両親が死亡している場合は祖父母、祖父母が死亡している場合にはさらにその上・・・と辿って行って直系尊属の法定相続人が誰もいない場合に、初めて第3順位の法定相続人である兄弟姉妹相続へと移ります。

つまり、理論上は直系尊属の戸籍はどこまでも(現実的には江戸時代くらいまで)追えてしまうため、直系尊属の死亡の記載の確認はどこまですべきなのか、という問題が生じます。

人間には寿命があるので、すべての相続について、直系尊属の戸籍は追えるだけ追う、というのは現実的ではないですし、合理的ではありません。

直系尊属の死亡記載をどこまで確認するかは、金融機関によって異なる

実際に相続手続きのために、戸籍をもってあちこちの金融機関をのまわっていると、直系尊属の死亡の確認は、金融機関によってやや取り扱いが異なることが分かります。

とある金融機関では祖父母の死亡が載っている戸籍の提出は求められなかったのに、次の金融機関では抜けが指摘される・・・ということがあります。

気になったので実際にとある金融機関にて相続手続きを行った際、担当の方に聞いてみたところ「おそらく金融機関全体としての方針は定まっていない」とのことでした。

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、相続関係の手続きでは、独自の書式が決まっていたり、捨て印が認められなかったりと、手続きが厳しい金融機関です(相続手続きで、ゆうちょ銀行の担当の方とケンカ(?)する、というのは、法律事務職員のあるあるだと思います)

ゆうちょ銀行で相続手続きをする場合、初めにゆうちょ銀行独自の書式の相続人関係図を提出します。

被相続人に子がいない場合、ゆうちょ銀行の書式では祖父母の氏名、死亡年月日を書く欄があらかじめ書式に存在しますので、基本的には祖父母の死亡記載のある戸籍謄本(多くは除籍謄本か原戸籍謄本)を揃えておく必要があります。

その他の銀行

取り扱いは今のところまちまちです。この銀行は必ず祖父母の死亡を戸籍で確認する、という実感は今のところ私にはありませんが、今後判明するようでしたら追記します。

兄弟姉妹相続の手続きに直系尊属の戸籍はどこまで必要か まとめ

いろいろな意味で、相続手続きで問題やらややこしいことを言われる可能性が経験上高いゆうちょ銀行は、その用紙がすでに祖父母の記載を求めていることを考えると、祖父母の死亡が確認できる戸籍謄本(多くの場合は除籍や原戸籍)を揃えていたほうが無難でしょう。

その他の銀行などの金融機関では、ある程度高齢の方の遺産相続は、多くが両親の死亡の確認は求められますが、祖父母の死亡の記載については追及されないことが経験上多いです。

両親の戸籍を一生分揃える段階で、意図しないまま祖父母の死亡が戸籍に記載されていることは多いです。

現在60歳以上の方の祖父母の代となると旧戸籍法の時代になり、現在とは戸籍の在り方が違います。そのため、一族全員が1つの戸籍に記載されているので、祖父母の死亡も確認しやすいです。

祖父母が長生きだった場合、途中で新戸籍が制定され、新しく戸籍編成されている場合があり、両親の一生分の戸籍では確認できないということが時々あります。

仮に両親の一生分の戸籍で祖父母の死亡が確認できなかったとしても、ある程度高齢の方(60代以上など)の祖父母となると、仮に存命中と仮定した場合でも120歳を超えてくることが多く、存命の可能性は低い(ほとんどない)として追及されていないのかな・・・と。

祖父母の戸籍まできっちりそろえるとなると、被相続人に対して4名分なので・・・結構広がってしまい、戸籍を揃える時間も金額も増えてしまいます。

祖父母の死亡の記載が両親の一生分の戸籍で確認できない場合でも、出生から130年以上など、明らかに存命していないと考えられる場合には、金融機関にその旨伝えてみると、祖父母の死亡の戸籍を免除されることもあるようです。

ケースバイケースとなりますが、ミスなく、漏れがないようにしながらも最小限の手間と手数料で業務を行いたいところです。

それでは

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