法律事務所では当然ながら法律用語が飛び交います。
原告とか被告とか被告人とか…?
なんとなくわかるけど似通っていてよく分からない、裁判などに出てくる一般的な「当事者」の呼び方について、今回はまとめます。
民事裁判の当事者
一番身近な裁判ですかね。
原告(げんこく)
裁判を起こした人のこと。訴状を提出した人のこと。
どちらが良いとか悪いとか、正しいとかそういうことは関係ない。
被告(ひこく)
裁判を起こされた人。訴状を受け取った人。
民事事件なので、裁判を起こされた悪い人とか、そういう意味は全くない。
相被告(あいひこく)
1つの裁判で被告が複数いた場合、被告から見て他の被告のこと。
事務所で使うときには、被告が複数いて被告代理人に別々の弁護士がついたときに、他の被告代理人について言うことが多い
被告が複数いても全員に同じ代理人が付いている場合には相被告とは普通言わない。
民事、家事調停の当事者
裁判とは呼称が変わります。
申立人(もうしたてにん)
調停を起こした人のこと。
調停は調停申立書の提出によって始まるので、申し立てをした人は申立人なんだな、と思っておけばいいです。
相手方(あいてかた)
調停を起こされた人。
申立人の相手になる人だから相手方なんだな、という理解です。
刑事事件の当事者
マスコミなどの言葉遣いは、正確ではないことがあるので注意
被告人(ひこくにん)
検察官により裁判所に起訴された人。
被告人が全て悪人であるとかそういう意味ではないが、少なくとも検察官が裁判所に対し、有罪を求めて起訴状を提出した人ではある。
被告人は刑事裁判でしか出てこない。
被告、とは全く意味合いが違うので注意。
被疑者(ひぎしゃ)
警察から検察に送致されたが、起訴はされていない人。
被疑者が全員起訴されるわけではない(不起訴処分という)ので、被疑者はみな被告人になるわけではない。
事務所内で使う場合
裁判用語とはすこし切り離して考えてください。
依頼人(いらいにん)
文字通りの依頼人。事務所にとっては顧客。
相手方(あいてかた)
ある委任事件において、訴訟や交渉の相手を全て相手方、と言ったりします。
裁判や交渉の相手方。基本的には敵。
日常の言葉遣いなので、相手方イコール調停事件の相手方、という意味ではないので注意。
まとめ
通常業務で、一般的な当事者の呼称についてまとめました。あまり出てこない当事者については、今回省いています。補助参加人、とか。
わかりにくいのはやはり、被告と被告人と被疑者あたりでしょうか?
- 被告:民事事件で、裁判を起こされた人
- 被告人:刑事事件で、検察官に起訴された人
- 被疑者:刑事事件で、警察から検察へ送致されたが、起訴はされていない人
ざっくり言えばこんな感じです。
ではまた!