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裁判書類の正本・副本とは?作り方・スタンプ位置・提出方法まとめ

法律事務所や裁判所とのやりとりでよく聞く言葉に「せいふく」というのがあります。

制服?征服?

「正・副」です。

「正・副送って下さい」とか「正・副、作っておいて」とかよく言われます。事務所内だと「正・副・控、お願い」のほうが多いですかね。

今回はそんな「正・副」の作り方です。

目次

正・副が必要な書類って?

そもそも「正・副」が必要な書類って何でしょう?いろいろありますが、良く出てくる書類名の例としては

  • 訴状
  • 答弁書
  • 準備書面
  • 証拠説明書
  • 証拠申出書
  • 送付嘱託申立書・・・etc

他にもありますが代表的な書類名です。

共通点としては、「裁判所と相手方、両方に提出する必要がある書類」です

書証(甲号証、乙号証など)は?

確かに書証も裁判所と相手方に提出の必要がある書面ですね。

これに関しても正確には「正・副」が必要なのでしょうが、私は「正副」としては作っていません。詳細は後ほど。

正本・副本の意味は?

  • 正本=裁判所に提出するもの
  • 副本=相手方に提出するもの

法則はこれだけです。

相手方が増えれば、副本が増えます。

なので、副本は複数というのはあり得ますが、正本はつねに1通です。

正・副・控の作り方(郵送又は持参提出の場合)

一番多く出すであろう、準備書面で話を進めます。

相手方は1名、準備書面を郵送で提出する場合です。

  1. 提出予定の準備書面を3部用意します。
  2. 提出書類には必ず職印の押印が必要ですので、3部全部に押します。
  3. 1通に「正本」のスタンプ(無ければ手書きでも可)を押す
  4. もう1通に同様に「副本」を作る

残りの1通は事務所の控えです。「控」を押すかどうかは事務所によります。控えなのでなんでも良いです。

そもそも控えには捺印はしない事務所とか、正本や副本のコピーを控えにする事務所とか、いろいろです。

ポイントは、正本、副本ともに押印が必要であることです。1通作ってコピーではダメです。

正本・副本の提出の仕方(郵送または持参提出の場合)

裁判の書類の提出は、原則的には郵送、又は持参提出です。(例外があります)

正本を裁判所へ郵送又は持参提出、副本を相手方へ郵送提出です。

相手方へ持参提出というのは、よほどでなければしません。裁判所へは、近ければ持ち込むことはあります。

正本と副本の送り先を間違えないように注意します。

準備書面などをFAXで直送する場合

ここまでは書類を郵送又は持参で提出する場合について書いてきました。

準備書面など、相手方へ直送することが可能な書面は例外的にFAXでの提出も可能です。実は例外のほうが多いです。FAXで送れる書面はほとんどFAXで済ませます。

FAXで提出する場合は

  1. 提出書面を1通用意する
  2. 捺印する
  3. 同じものを裁判所と相手方にFAXする
  4. 手元に残った書面はそのまま控えとする

以上です。簡単です。

正本・副本のスタンプは押しません。

もちろん、2通用意して裁判所に送るときには正本、相手方に送るときには副本として送ったら丁寧でいいのですが、そんなことしなくても文句を言われたことがないので大丈夫です。

FAX提出の時は正本・副本の表示は不要です。

正本・副本のスタンプの位置と向き

書面見本

準備書面の見本を簡単ですが作成しました。

書類1ページ目の前半部分です。

準備書面の見本

スタンプの位置

正本・副本のスタンプの位置は、これといった決まりはありません。多くが書類の上部に押してありますが、下のほうに押してある書面はありません。

一般的には書類の上部の左右の角が多いです。

スタンプの向き

スタンプの向き(縦書きか横書きか)にも決まりはありません。どちらでもいいです。

最近は書類が横書きなので、横書きのスタンプを使う場合が多いです。

書証について

書証(甲号証・乙号証など)についても提出方法は同じです。FAXで裁判所と相手方に送信するか、または郵送で送ります。

FAXの場合は準備書面などにも正本・副本のスタンプは押していないのだから書証も同じように押さないのはいいとして、郵送の場合はどうでしょうか?

私は、押してないです。うちの事務所では全員押していませんが、裁判所からも相手方からも文句を言われたことはありません。

受け取った相手方からの書証に、全部丁寧に「副本」と押してあったことはあります。

どのようにするか、は事務所ごとに方針が違うのでどうすべき、ということは言えません。

正式にはすべて「正本・副本」を押しておくのが丁寧であることは間違いありません。ただ、押してなくても文句は言われません。

ただ書証は数が多くなることも度々なので、「正本・副本」の表示を省いても裁判所は見逃してくれているのではないか、と思っています。

かけなくていい手間は省いてしまえ、と常々思っているので、うちの事務所では省いています。

正本・副本の作成まとめ

以上、今回は正本・副本についての基本的なところの説明でした。

おさらいします。

  • 郵送提出の場合→正・副を作成。明示する
  • FAX提出の場合→1通だけ作って裁判所と相手方に送信。正本・副本は明示しない
  • 書証について→数が多いから正本・副本の明示を省いても問題ない

それでは!

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