法律事務所では、通帳のコピーを取る機会が割とあります。
裁判資料として提出する場合もありますし、依頼者から資料として預かった通帳の情報を保管するため、その場でコピーを取ることもあります。
弁護士から、通帳のコピー取っといて、と言われますが、忙しいのでどこをどのように、と具体的な指示はない場合が多いです。
通帳のコピー、と言われた際の適切なコピーの取り方を解説します。
通帳の表紙、裏表紙をコピーする
まず、口座番号や口座名義などの情報の記載のある表紙をとります。
私は、次のページからのコピーと大きさを合わせるため、開いた状態でとることにしています。
通帳の表紙をめくった次のページのコピーする
表紙をめくると、支店名や口座名義のふりがななどの記載のあるページになります。
このページは必ずコピーします。
表紙には口座名義のふりがなはついていません。振込の際、漢字は不明でもフリガナさえあれば相手先口座の確認が取れる場合があります。
フリガナの確認は大切です。
通帳の取引明細の印字のあるページをコピーする
残高などの載っている部分は、印字があるページは全てとります。
通帳によっては、一冊で普通預金と定期預金のページがあったりしますので、よく確認して印字のあるページは全てコピーします。
通帳が何冊もあるときのコピーの仕方
まず、銀行名、口座番号で仕分けて、同じ口座番号のものは1束にまとめて問題ありません。
同じ口座番号の通帳は時系列順に並べ替えます。
一番古い通帳で、表紙と、フリガナのあるページのコピーをとり、あとは印字のあるページをどんどんコピーしていきます。
次の通帳に移る際、表紙とフリガナのページの情報が同じであれば、省いて構いません。
氏名が変わっていたり、統廃合などで銀行名や支店名に変更がある場合にはコピーしておいた方がいいです。
依頼者などに通帳をコピーをしてもらう場合
通帳をこちらで預からず、依頼者などに自分でコピーしてもらう場合には、必要な情報をきっちり伝えることが重要です。
ただ「通帳のコピーを提出してください」と伝えると、多くの場合、金額印字面のみをコピーが届きます。
銀行名、支店名、口座番号、名義人などの情報がなければ資料としてはだいぶ不完全です。しかし、一般的に通帳のコピーなど頻繁にとるものではないため、必要な個所をきっちり明示して伝えなければまず伝わらない、と思ってください。
- 表紙(できれば見開きで裏表紙も)
- 表紙をめくった次のページ
- 印字面はすべて
- 定期預金など別ページにある部分も印字面はすべて
上記部分をしっかり明示してコピーの依頼をしてください。
通帳のコピーの大きさは揃える
通帳は小さいので、A5サイズの紙などにも収まってしまいます。
コピーの仕方は各事務所により都合の良いやり方があると思いますので、従えばいいです。
私は、ほかの資料と大きさを揃えたいので、A4の用紙の真ん中あたりに揃えてコピーしています。
周囲に余白が大きくあいている状態です。
このようにコピーしている理由は、のちのち証拠提出する可能性を考えて、扱いやすいようにです。
余白は多めにあっても特に困りません。
左端は多くの場合紐やファイルで閉じますし、右上には号証番号などのスタンプを押します。余白があれば通帳コピー部分にかぶらずにすみます。
通帳のコピーの取り方まとめ
今回は通帳のコピーの取り方についてまとめました。
通帳のコピーを取る際、表紙や表紙の次のページ(フリガナのあるページ)は、特に伝えなくても当然コピーするものだろう、と思っていたのは、法律事務所勤務が長いが故の思い込みでした。
バイトさんや新人さんに、当然ながら、言わなければ伝わりませんね。
同様に、依頼者の方などにもきっちりお伝えしないと、ちゃんと証拠で使えるような通帳コピーは届きませんのでご注意ください。
それでは!